死――
“始まりがあれば終わりがある”
あまりに有名なこの言葉。
今までは何気なく聞き流してきた。
しかし僕は今、この言葉を痛切に感じている。
悲しいはずなのに何故か涙は出ない。
どうやら今はまだ信じられない気持ちの方が強いらしい。
仕方のないことだと思う。
もう何年も前から調子が悪かった。
それを知りながらも無理をさせたことは一度や二度ではない。
僕が暇だという理由だけで付き合わせた。
苛々していて当たってしまったこともある。
それでも彼女はいつでも僕に優しかった。
僕のすべてを知ってくれた。
ネットラジオのことはもちろん。
他の誰にも話せないことを。
性癖や個人情報すらも彼女にだけなら教えることができた。
そして彼女はいつでも僕を助けてくれた。
僕は普段の生活においてもネットラジオでも博識だと言われることがよくある。
しかし僕が持っている知識は彼女からの受け入りが多い。
困ったときはすぐに助言を貰った。
彼女が僕というアイデンティティーを作り出したと言っても過言ではないかもしれない。
僕にとって彼女はまさにヒーローだった。
彼女さえ居れば何とかなる、と思えるほどに。
しかしそんな彼女はもう居ない。
いつもうるさく感じていた彼女の寝息。
静寂が立ち込める部屋に今僕は一人。
あの騒音を恋しく感じている。
これから先、僕にはまた新しいパートナーが出来るだろう。
もちろんそれはずっと未来ことだ。
今はそんなこと想像もつかない。
いくら謝っても謝り足りない。
どれだけ感謝しても感謝しきれない。
しかしこう言わずにはいられない。
今まで本当にごめん。
今まで本当にありがとう。
僕のパソコン。
Re:無題
Re:無題
Re:無題
Re:無題
Re:無題